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室町期山賊・盗賊の急所(第1話)

2010.08.19
 戦国時代ほどではないが、室町時代は山賊が横行していた。
都から程よく離れている田舎とは言え、政争の影響も少しは受けるし、
山賊もいる。
室町幕府は、ほとんど都周辺しか実効支配しておらず、
日本全土の大半は守護大名たちが支配していた。
その守護大名は京に常駐して幕政に参加している。
守護大名たちの国許の支配は守護代に任される。
もっとも、その守護代まで京に常駐している家もあり
国許の治安はますます悪化する。
守護大名同士の大きな戦には巻き込まれないが
その分、日頃から山賊・盗賊などにおびえていないといけなくなるのである。

 公権力としての守護大名が役に立たないとなれば
次善の策として地侍に頼るが、その地侍も半ば山賊・盗賊と同じか
それ以上の暴政をしていることがある。
さいわい、お雪の住む村はそこまでひどい領主ではないものの
京に屋敷を構え、年貢を取るだけで、治安の維持には全くの無関心であった。
代官に領地を押領されなければ、それでいいという考えの地頭なのである。

 なので、自分たちの身は自分たちで守るしかない。
人口の少ない村では、女たちも重要な自衛戦力となる。
とりあえず、お雪の住む村では、守護大名たちの大きな戦に巻き込まれることはないので
もっぱら、山賊・盗賊を撃退する自衛訓練を重ねている。

 村を襲ってくる山賊・盗賊は男がほとんどである。
山賊・盗賊の集団にも女は含まれているものの、普通の山賊・盗賊集団では
本拠にいるだけであった。
男だけを戦闘不能にできればいいため、金的に特化した自衛訓練を受けることになる。
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室町期山賊・盗賊の急所(第2話)

2010.08.19
 鉄砲伝来前なので、山賊・盗賊と普通の村人が持っている武器の性能は大差がない。
守護大名が擁する正規兵の武士が相手だと、刀・槍・弓などの武器の性能、
カブト・よろいの防御性能、日頃の訓練などで、大きく水を分けられてしまうが、
山賊・盗賊相手なら、そんなに大きな心配はいらない。
よほど大規模な山賊・盗賊集団でない限り、小さな村でも自前の戦力で撃退できる。

 麦の収穫を終え、お雪たちの住む村は一段落していた。
昨年の米を食い尽くした者にとって、麦は重要な食料なのである。
この麦で、秋の稲の収穫まで何とか食いつながねばならない。

 しかし、その麦を狙って、村を襲う山賊・盗賊は後を絶たない。
もっとも、村の内部でさえ、他人の麦を奪う者はいる。
そうした者には厳しい処罰が与えられる。

 麦の収穫を終えてしばらく経ったある晩、お雪は外廊下から聞こえる物音で目が覚めた。
小さいながらも村で唯一の神社であるので、不釣り合いな外廊下がある。
京の大きな神社であれば、警護の侍が夜警しているということもあるが、
お雪の神社にそんな侍はいない。
お雪は、そっと起きて、外廊下へ出た。

 深夜だったが、月が出ているため、いくらかは視界が利く。
男の人影が納屋へと向かっていた。
その人影では、父ではないし、兄でもない。
お雪が監視しているとも気付かず、その男は納屋の前まで来ると
戸を開けて、中へと入って行った。

 その男の正体は、村に住む百姓であった。
年貢米を納めるにも事を欠き、神社ならば納屋に収穫したばかりの麦があると思い
参上したのである。
お雪がすぐ後ろにいるにも気付かず、男は麦の俵を1つ持ち上げようとして
足を広げて、ぐっと、ふんばった。

 その瞬間、お雪は黙って、後ろから男の足と足の間を蹴った。
もちろん、そこには、大切な金玉がぶらさがっている。
しかも、初夏で、金玉袋は伸びきって、全くの無防備であった。

「ぎゃ~!」
蹴られた瞬間、男は凄まじい悲鳴を上げて、その場にうずくまった。
後ろから金蹴りされると、副睾丸を直撃しやすくなるため、
普通に金蹴りされるよりも数倍激痛なのである。

 神社の者に見つかったとなれば、すぐに逃げなければならないが
男は金玉から来る激痛で、それどころではなく、
動くことすら、できなかった。

 お雪は、そんな男の滑稽な姿を見て、
「神社に盗みに入るなんて、罰当たりね。
じっくり、遊んであげる」と、男を見落としながら、笑顔で言った。

室町期山賊・盗賊の急所(第3話)

2010.08.22
 室町時代、殺人は大した罪にはならなかった。
一般人の起こすような殺人事件で死刑になることはまずなく、
室町幕府に対して謀反を起こしても、1ヶ月ほどの謹慎で済むことも多々あった。
しかし、窃盗についての刑罰は現在よりもかなり重く
カキを盗んだだけで流罪になるのが通常であった。

 後に、室町幕府第13代将軍足利義輝を殺害したり、
織田信長に3回も謀反を起こして3度とも許されたりして、
知将として名を天下にとどろかせた松永久秀は
四国の貧しい農村の出身で、22歳の時、村のカキを盗んだ罪で
村から追放されたと伝えられている。

 カキ泥棒ですら重罪なのだから、麦を1俵盗んだりしたら
流罪は確実である。
当然、流罪になっても、食べるべき食料もないから
すぐに飢え死にする運命である。
お雪に金蹴りされて、動くこともできなくなった男の運命は
すでに先が見えている。

お雪:「どうしたの?痛いの?」

 お雪は首を少しかしげるような仕草をして男を見つめた。
これまで、さんざん村の男たち相手に金蹴りをしてきたので
男の子がすごく苦しみことはよくわかっている。
ちょうど月明かりがきらめいてきて、男の全身がよく見えるようになった。
大柄な男である。
その屈強な体格を見て、お雪はその男の身元がわかった。
橋本牛安(はしもと・うしやす)という名で
零細百姓の三男でありながらも、運動神経が良く、昔は京に武家奉公に出ていた男である。
しかし、奉公先の武家が没落したため、故郷の村に帰って来ていたのである。

 最初は奉公先で蓄えた金で食って行けたが、2年ほどで底をついた。
農民に戻ろうと思っても、ろくに土地もない。
そこで、今回、やむなく、神社の納屋に盗みに入った次第である。

 腹が減っていたとは言え、武家奉公に出ていた屈強な武士が
少女の金蹴り1発で、あっけなく、戦闘不能にされたのである。
お雪は底知れぬ、興奮を覚えた。

お雪:「普段はあんなに強いのに、女の子の金蹴り1発で動けなくなっちゃうのね」
牛安:「・・・頼む。このことは秘密にしておいてくれ」

 昨今、都でも飢饉続きで、村を追放されて、京へ行ったともしても
食べていくことはできないし、仕官先もまずない。

お雪:「みんなには黙っておいてあげるけど、代わりに護身術の練習をさせて」
牛安:「それでいいなら」

 背に腹は代えられず、牛安はお雪の申し出を受け入れた。
行く手に待ち受ける地獄の苦しみを知りながら。

室町期山賊・盗賊の急所(第4話)

2010.08.25
 お雪は、牛安の服を手際良く脱がせた。
金的神判の練習などで、男の服を脱がせるのは慣れている。
ふんどしも取ると、月明かりの中、隆々たる鍛え抜かれた男の身体があらわになった。
さすが、何年も京に武家奉公へ出ていたことだけのことはある。
奉公衆(室町幕府将軍の直轄軍)の者たちと相撲の試合をして上位入賞したという話も村で聞いたことがある。
それを証明するかのように、牛安には、太い腕、しっかりとした胸板があり、いずれも惚れ惚れするほどの強さを示していた。
一方、それとは対照的に、そのたくましい足と足の間には、無防備な金玉が、だらしなくぶら下がっていた。

 このまま、すぐに金玉を責めても良かったが、お雪も服を脱いだ。
この行動は牛安も全く予想しておらず、男としての危機だというのに、興奮してしまった。
そうすると、当然、長い方も固くなる。
牛安は『やばい』と思い、必死になって固くなるのを抑えようとしたが、どうにもならなかった。
長い方は上の方を指してお腹に届くほどであった。
当然、金玉は余計に無防備になる。
そんな滑稽な男の様子を見て、お雪もついつい興奮しまう。
しかし、お雪は興奮しても、何も見られる心配はない。
足と足の間はすっきりしているのであった。

 長い方は勃起して、無防備にぶら下がっている牛安の金玉を
お雪は片手で優しく包み込んだ。
お雪の手にやわらかい感覚が伝わってくる。
牛安の長い方はさらに固くなった。
『私も生まれてくる前はここにいたんだ』などと思った。
男の子の象徴で1番大切なところなのに、こんなにやわらかくて無防備なのである。
しかも、急所。
自分には付いていないところなので、ますます興味が湧いてくる。

 お雪は金玉を優しく撫でながら、長い方も揉んだ。
「あ、あ・・・」
思わず、牛安から声が漏れてくる。
京で何度か遊女と夜を共にしたこともあったが、
周りに同じ武家奉公の者がいて、ゆっくり楽しめなかった。
ここまでの快感を覚えたのは生まれて初めてであった。

 お雪が揉み始めてから3分も経っていなかったが、
牛安は興奮して射精寸前であった。
しかし、天国は長く続かなかった。
お雪が、牛安の金玉を2つとも、ぎゅっと握りしめたのである。

 「ぎゃ~!」
牛安は凄まじい悲鳴を上げたが
お雪は「静かにしていないと、他の人に、ばれちゃうよ?」といじわるっぽく言った。

 本来であれば、勃起もすぐに収まるはずであったが、
お雪は長い方の付け根をヒモでしっかりと結んであった。
このため、勃起は収まらず、金玉は無防備なまま、お雪の為すがままになった。

室町期山賊・盗賊の急所(第5話)

2010.08.28
 牛安が武家奉公に出ていたのは、守護大名の赤松家であった。
赤松家は足利尊氏の時代から続く、播磨を中心とする三か国の守護職を
兼任する有力守護大名家であった。
当然、仕官への道も険しいものであったが、
牛安は持ち前の強靱な肉体と武芸を以て、仕官することができた。

 守護大名の走り衆で身分は低いが、立派な侍である。
しかも、守護大名のそば近くに仕えているので
顔を覚えてもらいやすい。
うまく行けば、百姓からひとかどの武将になるのも夢ではない。

 実際、守護大名の赤松満祐からは名前を覚えてもらい、
一緒に碁を打たせてもらったほどである。
将来は保障されたと思われていた。

 しかし、牛安が予想もしていなかったところで事態は一挙に暗転した。
赤松家当主の赤松満祐が室町幕府第6代将軍足利義教を宴会に呼び、
謀殺したのである。
その後、赤松満祐らは京の屋敷に火を放ち、国許の播磨へ帰り、
室町幕府に対し、兵を挙げた。
その場の流れで、やむを得ず、牛安も赤松満祐と行動を共にした。
幾度かの合戦には勝利し、牛安も手柄を立てたものの、
西方から押し寄せる山名持豊の大軍には敵わず、赤松満祐は自害して果てた。
落城寸前、牛安は命からがら、故郷に帰国した。

 そんな牛安が、少女に金玉を握られただけでこんなに苦しみを受けていたのである。
牛安は汗を流しながら、必死に痛みに耐えたが、
お雪が金玉の付け根をしっかり抑え、金玉の逃げ場所をふさいで
金玉を握っているので、金玉から来る痛みから逃れるすべはない。
しかも、お雪は強弱をつけて、金玉を握っていた。
こうすると、かえって、痛みへの対応がしにくくなる。
お雪の金玉握りの前には、鍛え抜かれた筋肉も無意味であった。
どんなに頑張っても、金玉だけは筋肉が付かず
強靱な武士でも、生まれたての男の子の赤ちゃんでも同じなのである。
むしろ、金玉が小さい分、赤ちゃんの方が金玉握りに強いかも知れない。
その上、金玉は内蔵の一種なのである。
そこを握られれば、例え、義経であろうが、弁慶であろうが、
痛みにあらがうことはできないであろう。

 牛安は何度も気を失いそうになるが
その度にお雪は副睾丸をごりごりを弾くように揉んだ。
副睾丸は金玉よりも痛感神経が集中していて、数倍激痛である。
その痛みで牛安は再び現実に戻される。

 お雪は「しっかり、ふんばっていないと、金玉が潰れちゃうよ」などと茶化した。
牛安はこの痛みから逃れようと、お雪にも握れる急所がないかと探したが、
お雪の身体のどこを探しても、金玉のように痛がるところはなかった。
牛安は自分の身体から金玉を取り外して欲しいと真摯に願ったが、
そんな願いが神様に届くわけもなく、ただ悶絶するしかなかった。

牛安:「助けてくれ・・・。」
お雪:「嫌だよ。金玉がある分、体力があるんだから
これくらい、余裕でしょう?」
お雪はいじわるっぽく、笑いながら言った。
強いはずの男が小さな金玉を握られただけで
全く自分に抵抗できないで悶絶する様子を得意げに見つめていた。
金玉は神様が男の子に与えた男の子だけの急所なのである。

室町期山賊・盗賊の急所(第6話)

2010.08.30
 神様が男の子だけに与えた急所を普通の男が鍛えられないのは当然であるが、
後世まで武功話が伝わる武者たちであっても、結果は同じであろう。
五条大橋の弁慶であろうが、平敦盛を討ち取った熊谷直実であろうが、
金玉という、この上なく弱い急所をぶら下げた男にすぎない。
源義経は弁慶のスネを狙って、勝ったと伝えられているが、
スネよりも金玉を狙った方が遙かに激痛だということを義経自身もよく理解していたであろう。
しかし、義経はお雪のように、弁慶の金玉を握ったり、金蹴りをしたりはしなかった。
同じ急所を持つ男同士として、その痛みを容易に想像できるため、
本当の急所を攻撃することができなかったのである。

 お雪の金玉握りは容赦がない。
お雪の小さな手に牛安の金玉はすっぽり収まっていた。
金玉の柔らかい感触に、お雪は興奮した。

 牛安の金玉とお雪の胸を比べれば、明らかにお雪の胸の方が大きい。
神様は女の子の胸の対になるように金玉を創ったのであるが
女の子の胸と男の子の金玉では決定的な違いがあった。
美しい女の子の胸に比べて、男の子の金玉はあまりにも滑稽な形の上、
女の子の胸は、金玉のような痛みを感じるところでもないのである。

 しかも、金玉は手頃な大きさで、足と足の間という、とても握りやすい場所に付いている。
この金玉があるためだけに、牛安は自分よりも体力面で遙かに劣る少女から
地獄の苦しみを与えられていたのである。
武家奉公で鍛えた筋肉など、お雪の急所攻撃の前には何の役にも立たなかった。
苦しむ牛安の姿を見ながら、お雪は「男の子って、身体は固いのに、金玉だけはやわらかいのね」と茶化して言った。

 牛安は声の主であるお雪の方を見たが、お雪の足と足の間はすっきりいる。
今、牛安に地獄の苦しみを与えている金玉のような部位はどこにも付いていなかった。
金玉の痛みは、女の子は一生経験することのない、神様が男の子だけに与えた地獄の痛みなのである。

 お雪のうれしそうな興奮した笑顔とすっきりとした股間を見ながら
牛安は『金玉が付いていないと、男同士で、すぐに手加減なしの大喧嘩になるから
ほんの少し軽い蹴りが入っただけで、どこよりも痛く感じる急所を神様は
男にだけ付けたのか・・・。』としみじみと思った。
しかし、そう思ったところで、金玉はなくならないし、金玉の痛みも治まらない。
牛安は金玉から湧き出るような、いつ果てるとも知れない地獄の痛みと闘いながら
悶絶するしかなかった。
金玉の痛みから逃れる唯一の方法は気絶することであったが、
武家奉公で鍛えた身体はその逃げ道すら、ふさいでしまっていた。

 しかし、助けは思いがけないところからやって来た。
地頭の屋敷の大鐘が鳴ったのである。

室町期山賊・盗賊の急所(第7話)

2010.08.30
 地頭の屋敷の大鐘が鳴った場合、村の男と若い女は半時(1時間)以内に駆けつける義務がある。
若い女は、還暦を迎えた男よりも、よほど貴重な戦力である。
お雪もその対象であるし、武家奉公の経験がある牛安はもっと重要な戦力だと思われている。
たとえ、少女の金蹴り一発で悶絶させられていたとしても
有力守護大名赤松家の走り衆であったという肩書きと経験は変わらない。

 鐘の音を聞きとげると、お雪は素早く立ち上がり
「ほら、早くしないと、遅刻だよ」と言った。
しかし、牛安の動きは極端に鈍くなっている。
男の急所をさんざん、お雪に、もてあそばれたのだから当然である。
お雪からの攻撃が終わっても、金玉から来る地獄の痛みはとどまることを知らない。

お雪は「男の子なら、ちょっとくらい平気でしょう?
しっかり、立ちなさいよ。」と言ったが、牛安はうずくまったまま、ほとんど動くことができない。

「あ、でも、男の子だから我慢できないのかな?」
お雪は少し首をかしげて、不思議そうな顔をしながら、うずくまっている牛安を見下ろしていた。
自分よりもずっと大きくて強い男が、金玉をやられただけで
全く動けなくなっている様子を改めて認識し、お雪は興奮した。
神様が男の子だけに与えた女の子には全く理解できない痛みなのである。

 一方、牛安も、男の痛みと闘いながら、立っているお雪を見つめた。
その股間はすっきりしていて、何も付いていない。
金玉のような、だらしない急所はどこにもぶらさがっていなかったのである。
何も付いていないお雪のすっきりとした足と足の間を見ながら牛安は
『男と女が本気で喧嘩をしたら、絶対、女の方が強いな・・・。』と思った。
普段、本格的な武術の稽古をしていない女の子でも
長年、武家奉公をしていた男を簡単に倒せるのである。

 牛安がいつまで経っても立ち上がろうとしないので、お雪は牛安の金玉を引っ張った。
これには、牛安も従うしかない。
しかし、また、悶絶されると困るので、お雪は金玉袋だけをつまんでいた。
牛安を立ち上がらせると、お雪は牛安の着ていた服を再び着せた。

 「それじゃ、頑張って、地頭の屋敷まで行ってね」とお雪は笑顔で見送った。
これ以上、ここにいると、本当に神社の者にバレそうなので、
牛安は最後の気力を振り絞って、歩き出した。
片手で金玉を大切に押さえながら歩いたが
歩くごとに金玉が揺れて牛安に苦痛を与えた。
しかし、お雪の急所攻撃よりかは遙かにマシである。

室町期山賊・盗賊の急所(第8話)

2010.08.30
 地頭の屋敷の鐘が鳴るのは、村の一大事の時である。
山賊が攻めてきたか、用水路で揉めている隣の村が攻めてきたかは知らないが、
少なくとも、武家奉公で鍛えた牛安の屈強な身体が役に立つ。
神社の納屋で男の痛みと戦うよりも、戦場にいた方がずっと気楽である。
金玉の痛みはまだ完全には取れていなかったが、地獄のような状況から解放され、
牛安はようやく、人心地がついた。

 お雪も集まる義務があり、地頭の屋敷の前へ行った。
すでにかなりの人数が集まっている。
何でもお雪の村の地頭が管轄する関所が山賊に焼き討ちされたらしい。
その関所からこの村までは数里しか離れていない。
近所の大きな村の方へ行ってくれればいいが、こちらに来られては一大事である。
そこで、村の防衛を固める必要が出てきたのであった。

 室町時代の山賊は昼間でも平然と村を襲う。
当然、村にも、それに備えた自警団がある。
お雪たちの急所攻撃も役に立つ。
鉄砲が伝来する前で、山賊と村の自警団では装備に大差はなく
人数が結果を左右していたのである。

 昼過ぎになって、やぐらの見張りが、村へ向かって来ている集団がいると告げた。
女でも槍を使う者はいたが、重たい槍は使い勝手が悪いため、
多くの女は船を漕ぐ櫂(かい、オール)のような棒を持っていた。
櫂と違うのは中心が少しくぼんでいる点である。

 この棒は、まさに男の急所だけを攻撃するために創られた道具であった。
中心が少しくぼんでいるのは、金玉の逃げ場所をなくて
男たちに地獄の激痛を与えるためである。

 昨年の秋、村に山賊が襲ってきたことがある。
槍や刀を持った男たちも活躍したが、山賊たちにとって1番の恐怖だったのは
この棒を持った若い女たちであった。
女性特有の身体の柔軟さを生かして、山賊たちの攻撃を軽やかに回避し、
刀や槍を持って動きの鈍い山賊たちの急所をさんざん痛めつけたのである。
軽く股間に当たっただけでも、山賊たちは戦闘不能になっていた。
山賊の中には、傭兵として守護大名同士の大きな戦にも参加した者も大勢いたが、金玉だけは鍛えようがなかったのである。

 今回、お雪の村に向かって来ている山賊たちも
地獄の痛みを味わう運命にあった。

室町期山賊・盗賊の急所(第9話)

2010.09.05
 室町幕府の権力構造は複雑に入り組んでいる上に
ある意味では歪んでもいる。
形式上、朝廷を除けば、1番権威のあるのは室町幕府のはずであるが、
基本的に、室町幕府は守護大名の領国支配に口出しをする権限はなく、
一方の守護大名は平然と幕府に異を唱えることも多い。
また、その守護大名は領国に帰ることはほとんどせず、
京で一生を過ごす人が大半である。
京に駐在することによって、幕政に参加し、自らの権勢を高めるのであった。

 都の周辺だけはきれいに治められているが、少し地方に出ると
幕府・公家・守護大名・地頭・国人・寺社など様々な勢力が割拠している。
中には山賊などになってしまった国人や地侍も多い。
琵琶湖には海賊ならぬ、湖賊までいる。
元は地侍であったが、南北朝の動乱により、勢力を拡大し、
守護大名の干渉さえも、はね返す一大勢力となっていたのである。

 そう言った賊は、戦国大名のごとき、実践的な戦法を採っていた。
上級の武士のような重たいヨロイなどは着けずに、
簡単な胴丸を付け、安い刀や槍で戦場を駆け抜けていた。
お雪の村を襲おうとしている山賊も同じである。

 お雪たちは、例の棒を持って、じっと待機していた。
山賊たちも色々と作業を分担している。
弓矢が飛び交うところでは急所攻撃をする前に
流れ矢が当たる可能性もあり、危ないので
お雪たちは、兵糧などを運ぶ隊を襲うことになっていた。
彼らも山賊ではあるものの、ただの荷物運びであり、
ろくに武器も持っていない。
完全に下っ端の使い走りなのである。

 お雪たちがすぐ近くに潜んでいるとは知らず
荷物運びの者たちは村から少し離れたところで待機していた。
今日の彼らの仕事は戦闘員の山賊に兵糧などを提供することであって
闘いの最中には出番がない。
小さな村なら、半日もあれば、十分落とせるので、
その後、食事の準備をしたり、略奪した物資などを集めたりして
忙しくなる。
それまでは体力を温存しているのであった。

 荷物運びの山賊は5人いた。
お雪たちと同数である。
1人は胴丸を付けて、槍を持っているが
他の山賊は何も武装していない。
あの1人さえ、倒してしまえば、
あとは心置きなく急所攻撃を炸裂させるのみである。

 お雪は、りりしい山賊たちが足と足の間に
ぶら下げている金玉を想像して、どのようにそれを痛めつけるか
想像をふくらませていた。

室町期山賊・盗賊の急所(第10話)

2010.09.05
 荷物運びの山賊たちは時間を持てあましていた。
今は荷物運びであるものの、山賊である以上、武術の訓練はしている。
都では、土一揆に乗じて、土倉や酒屋を襲撃したこともある。

 本当は今回も武装して参加したいが、
胴丸や刀・槍など安い物を使ったとしても相当の額になる。
とても駆け出しの山賊に買える物ではない。
敵が来ても棍棒を振り回すしかない。
ただし、屈強な男たちに重いっ切り、棍棒で叩かれたら
ただでは済まないであろう。
むしろ、刀や槍で殺されるよりもつらい死に方であるかも知れない。

 お雪たちは一斉に襲いかかった。
一瞬、山賊たちは驚いたが、相手が女ばかりであったため、
すぐに落ち着きを取り戻した。

『俺たちは男なんだ。
こんな田舎娘たちごときに負けるはずがない』

 最初、お雪たちが攻め掛かったのは
その中で武装した山賊であった。
武装した山賊はすぐに斬りかかったが、
お雪は軽く攻撃をかわし、棒を山賊の顔面に打ち付けようとした。
山賊もすぐに防御の構えを取る。
山賊の腕力を以てすれば、お雪の面打ちなど何ともない。
完璧に防御し切った。

 しかし、攻撃はそれだけではなかった。
お雪の攻撃に気を取られているうちに
あかりが山賊の後ろに回り、足と足の間を思いっきり
例の棒で叩いたのである。
当然、そこには男の象徴である金玉がぶら下がっている。
防具で守られてもいないため、あかりの攻撃をまともに受けることになった。
しかも、その棒には金玉の逃げ場がなくすように、少しくぼんだ作りになっている。

 あかりの急所攻撃を受けた次の瞬間、山賊の顔色が一変した。
狂ったかのようにお雪に斬りかかってきた。
これにはお雪も驚いたが、それも数秒のことで
「わぁ~!」と叫んだと思うと、武装した山賊は槍を捨てて
手で股間を押さえて、うずくまった。
筋骨隆々たる山賊も女の子の急所攻撃には敵わなかったのである。
金玉から来る痛みはどんな男も平等に地獄に落とす。
普段、鍛えている厚い胸板・太い腕などは何の役にも立たなかった。

 その様子を見て、残りの山賊たちは一気にテンションが下がった。
山賊らしい武装をしているのは、この男だけで、他の男たちは
お雪たちと同じ物しか持っていない。
しかも、山賊たちには金玉という女の子たちにはない急所が
ぶら下がっているのである。