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地頭の代官(第1話)

2010.09.05
 お雪の村の地頭は、京に屋敷を構えていており、
村には、地頭の代官が代わりに赴任していた。
こんな寒村から取れる年貢などたかが知れているため、
地頭も年貢がしっかり入ればそれで良いという考えで、代官に任せ切りにしていた。
なので、事実上、村で1番権威があるのは、地頭の代官であった。
実際、地頭の代官とは言わず、地頭と呼ぶ人も多い。

 地頭の代官には、あかりという娘がいた。
地頭の代官には他にも息子がいたが、守護大名に武家奉公に出しており、
村にいるのは、あかりだけであった。

 室町時代、室町幕府の直轄領以外は守護大名が治安の維持などの任務を負っていたが、
その守護大名自身は京に屋敷を構え、幕政に参加している。
さらに守護代であっても、京に常駐し、領国へは帰らないという者もいる。
必然的に、地方の治安は悪化する。

 前述の通り、人口の少ないこの村では、女子であっても、重要な防衛戦力なのである。
村を襲ってくる山賊・盗賊などのほとんどは男の集団であるので、
この村の女たちは、急所攻撃に特化した訓練を受けている。

 女の子が大きな男の子の急所を蹴ったり、金玉を握ったりする様子を見て育った
あかりには、金玉を痛がる男の子たちがとても魅力的だった。
男の子の象徴なのに、急所なのである。
普段、あんなに強い男の子が女の子に一発金蹴りされて
うずくまる光景を見ていると、胸がわくわくしてくる。

 あかりの父は、武家の子である以上、一通りの武術は身に付けておいた方が
良いという考えで、家来に命じて、色々とあかりに教えていた。
当然、そこには村人が行っている急所訓練も含まれている。

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地頭の代官(第2話)

2010.09.16
 地頭の代官の屋敷なので、大した家人はいない。
京を出る際に、十数人を引き連れてきただけである。
もしも、人手が足りなければ、村人に労働を命じればいいだけの話だ。
なので、最初、あかりの武術の訓練に従事していたのは女2人だけであった。
常夏という活発な者と、お鶴という神官の娘の者だった。

 常夏も、お鶴も、あかりとそんなに年が離れていなかった。
剣術や体術など基本的な戦闘訓練も行うが、
女の子の護身術で、1番大切なのは金的攻撃の練習であった。
練習相手に男の子を呼んでも良いが、最初のうちは女の子同士で練習していた。
地頭の代官の屋敷にいる男はどれも重要な戦力なので、
手加減がわからないうちに、護身術の相手をしてうずくまらせてしまい、
急に敵が攻めてきた時などに困ってしまうからである。

 常夏は、相手の金玉をうまく蹴るコツを教えていた。

常夏:「前から蹴ると、蹴りがおちんちんの方だけに当たって
痛がらない場合もあるから、できるだけ後ろのお尻の方から撫でるようにして
蹴った方が良いわよ」

 あかりは言われた通り、常夏の足と足の間を蹴った。
お尻の方から、ゆっくりと撫でるように蹴る。
もちろん、常夏は女の子なので、金玉は付いていないし、
うずくまることもない。

あかり:「こんなので、本当に男の子が倒せるの?」

 村に来てからも何度か、女の子が男の子の股間を蹴って、悶絶させているところを
見たことはあるが、面白くは思いつつ、本当にあんなに痛いのか、
あかりは半信半疑であった。

常夏:「男の子なんて、金玉を蹴られたら、全然弱いよ。
大きな男の人でも、あかりちゃんくらいの小さな女の子に蹴られたら
一刻は動けないよ。」

あかり:「本当!?」

常夏:「本当だって。
何しろ、金玉は男の人の最大の急所なんだから。
どんなに強い男の子でも我慢できないんだよ」

あかり:「最大の急所・・・。」

 さりげなく、あかりは自分の股間に手をやる。
もちろん、そこには何も付いていない。
自分には付いていないところなので、ますます興味が湧いてくる。
金玉は男の子の象徴で、神様が男の子だけにつくった急所なのだから
どんな風に痛いのか、想像もつかない。

 でも、あかりはそんな男の子のことをちょっと羨ましくも思っていた。
今はみんな京に戻ってしまっているが、上のお兄ちゃんたちは
みんな金玉とおちんちんがちゃんと付いていた。
あかりだけ、仲間外れのようで、少し寂しく感じていたのである。


地頭の代官(第3話)

2010.09.25
 室町時代は現代の風呂が完成した時代でもあった。
それまでの風呂は、蒸し風呂のような方式であったり、
身体をお湯でしぼった布でふいたりする方式だった。
それが室町時代になって、お湯を大量に使って
身体ごと浸かる方式の風呂が主流となってきたのである。

 当然、この方式の風呂は大量の薪を使って火をおこし、
お湯を作らなければならない。
なので、当時は庄屋クラスの階級になって
初めて戸別に持てる物であった。
それ以外の階級は基本的に、京では銭湯、地方の田舎では共同浴場である。

 実は、日本では江戸時代の寛政の改革まで男女混浴が当たり前であった。
さらに、当時は簡単な服(簡易な浴衣のような物)を着たまま、
風呂に入るのが普通である。

 あかりの家は、京の屋敷にいた時から戸別の風呂(湯殿)を持っていた。
小さい頃は兄弟で一緒にお風呂へ入っていた。
お風呂に入る時はきちんと服を身につけているのであるが、
お湯を全身で楽しもうとしたり、他の兄弟とふざけたりしているうちに
いつも自然と服を放り出していた。

 あかりは5人兄弟のうち、第3子であったが、
他はみんな男だったため、女の子は1人だけで長女だった。
兄弟は湯殿の中でふざけ合っていると、おちんちんや金玉が気持ちよさそうに揺れている。
さらに、お湯の中に入ると、金玉袋が伸びきって、中の様子もよく分かる。
毎日がこんな感じなので、あかりは、男の子には長い方の他に金玉が付いていることや
金玉が二つあることを物心付く前から知っていた。
しかし、兄弟で暮らしている間には、金玉が男の子の急所であるとはわからなかった。

 本当は、あかりが覚えていないだけで、
兄弟の金玉を痛めつけてしまったことが何度か、あるのだが・・・。


地頭の代官(第4話)

2010.09.25
 もしも、あかりの家が、上級の武家や公家であったならば、
子供ごとに乳母が付いていて、兄弟と交わることも少なかっただろうが
あかりの家は、地頭職を勤める家の家老相当階級なので、そんなこともなかった。

 湯殿での兄弟同士のふざけ合いにあかりも参加していた。
このふざけ合いは、あかりにとって、とても有利なものだった。
なぜならば、他の兄弟は、おちんちんや金玉を握られる危機と
常に直面していたが、あかりの足と足の間には何も付いていないのである。
他の兄弟たちはあかりに金玉を握られて、仕返しをしたくても
あかりには金玉は付いていなし、金玉のように強い痛みを与える急所は
身体のどこを探しても付いていない。

 その上、あかりは金玉のみならず、おちんちんも握ってきた。
小さな男の子とは言え、あかりにおちんちんを握られたり、
揉まれたりしたら、当然、勃起してしまう。
やられた男の子は大きく立ち上がらないように必死に我慢するが、
反射的勃起にあらがうことはできない。
大きく変形してしまったおちんちんのことをあかりや他の兄弟に
からかわれる羽目になり、恥ずかしい思いをする。

 あかりはよく次男の権吉(ごんきち)とふざけ合いをしていた。
年が近いので、お互いに体型に大差はない。
あかりが襲って来ると、権吉は逃げ回った。
経験上、女の子に金玉を握られると、男の子は勝てないということを
知っていたからである。

あかり:「待ちなさいよ!」

権吉:「嫌だよ!」

 権吉は必死で逃げるが、湯殿での逃げ場所は限られており、
結局、最後はあかりに追い詰められることになる。
あかりに詰め寄られると、権吉は手で自分の金玉を守る。
金玉だけは死守しければならない。

 しかし、そんな防御方法はあかりの前には無力であった。
権吉が両手で金玉を大切そうに押さえているので、あかりは権吉の首を絞めた。
最初は権吉も我慢したが、苦しくなって、両手でその首絞め攻撃を解こうとする。
両手が上へと回り、必然的に権吉の金玉は無防備となる。
あかりはこの隙を逃さず、片手で権吉の金玉を二つとも
しっかりと握りしめた。

権吉:「ぎゃ~!」

 権吉は大声を出したが、あかりは力を緩めない。
しかも、金玉を握っているのは左手だけなので、
右手で権吉の好きな場所を攻撃できる。

地頭の代官(第5話)

2010.10.09
 京の屋敷にいる頃から、武術の基本的なことは習っていた。
時には代官として、地方の当主の所領に赴任しなければならないこともあるので、
警察の機能も必要だったのである。

 敵が刀や槍・弓矢などを使って攻撃してきた時の防御方法は
しっかり教わっているが、相手に金玉を攻撃された時の
防御方法は全く教わったことがない。
小さな子供のみならず、戦場で一番槍の手柄を挙げる者や
大将首を挙げる者ような勇敢な武者であっても、
金玉の守り方は教わっていないだろう。
普通、戦場で金玉を攻撃されることはないし、
金玉を守る必要などない。

 しかし、通常の戦場から離れて
日常的な護身術となってくると、状況が変わってくる。
女の子の護身術で大切なのは、金蹴りをはじめとする金的攻撃である。
護身術と言っても、武術のように師について学ぶものではなく、
女の子が日常生活の中で自然に身につけているものであった。
逆に、男の子は金玉を守る方法など身につけていない人がほとんどである。
せいぜい、手で押さえて守るくらいしか方法が思い浮かばないし、
武術の師でも、それくらいしか知らない。
そもそも、金的攻撃をされる前に相手を倒せば良いという考えなので
改善するはずもないし、真剣に考えたところで、良い方法もないであろう。

 あかりの左の手のひらに、権吉の金玉は2つとも
すっぽりと入っていた。
女の子の手は柔らかかったが、男の子の金玉はもっと柔らかいし、
痛みに敏感なところでもあった。
権吉は金玉から来る地獄の苦しみに悶絶していたが、
あかりには無縁なことであった。

 左手で金玉を握って、右手で、みぞおちなど
金玉の次くらいに痛がるところを攻撃しても良かったが、
あかりは権吉のおちんちんを軽く包み込んだ。
すぐ下に付いている金玉とは正反対に
このおちんちんは快感をつかさどる部分であった。

 小さい男の子でも、おちんちんを揉まれれば
勃起してしまうし、快感も味わうことになる。
あかりは権吉のおちんちんを優しく揉み始めた。

「あ、あ・・・。」
思わず、権吉は声を漏らした。
同時にあかりは金玉を握るのをやめて軽く包み込むだけにしたので、
金玉の痛みは次第に収まり、代わりに強い快感が権吉を支配していった。
今までさんざん、金玉を攻撃されて、男に生まれてきたことを
後悔させられるだけの権吉であったが、今は違う。
男の子に生まれてきた喜びを感じられる一時であった。

 本来ならば、おちんちんが大きく変形しないように頑張るところであるが、
先ほどまでの男の痛みから逃れるため、権吉はおちんちんから来る快感に
身をゆだねた。
権吉が快感に支配されていることをあかりは確認し、
今度は金玉を優しく撫で始めた。
金玉も方法によっては、快感を与える部位になり得るのである。

 おちんちんと金玉から来る快感で
権吉は天国にいるような気持ちを味わったが、
天国の時間はそう長くは続かない。
金玉という男子最大の急所を持っている状況は
何も変わっていないのだから。

地頭の代官(第6話)

2010.10.29
 室町時代に限らず、前近代全般に言えることであるが、
長男があっさり病死することが多々あるので、次男、三男でも十分に当主になる可能性がある。
江戸時代末期の大老で有名な井伊直弼などは井伊家当主の13男として生まれ
大老どころか、藩主にすらなれないような状況であったが、
兄が相次いで、病死したため、藩主になり、大老にまで上り詰めることになった。

 長男優先の前兆となる傾向は昔からあったものの、
確立したのは、儒教が本格的に日本に入ってきた江戸時代以降のことである。
特に、何もかも基準が曖昧な室町時代は、側室が産んだ子でさえ、
正室が産んだ子と対等に次期当主候補に挙がっていたくらいである。
当然、次男の権吉にも当主となる機会はいくらでもある。
しかし、その生殖機能をつかさどる金玉はあかりの手の中にあり、
おちんちんも優しく揉まれて、権吉は完全に無力化されていた。

 もしも、大人の男子であれば、射精させられている状況であったが、
まだ、権吉にはそのような機能は整っていない。
男の子は生まれた時から、金玉とおちんちんがちゃんと付いていて
生まれたての赤ちゃんでも勃起はすることができる。
ただ、射精となると、少なくとも十代に入った後のことになる。
それまで、金玉は生殖器としての機能は果たさず、
ほぼ男の子に地獄の苦しみを与えるくらいしか仕事のない部位となっている。

 あかりは巧みにその例外を生かしていた。
男の子の身体は固いが、金玉だけは柔らかい。
そこを優しく撫でてもらうと、おちんちんほどではないとしても
異次元の快感を味わえる。
金玉が内蔵の一種だからこそ、味わえる快楽である。

 おちんちんを揉みながら、金玉を優しく撫でて
権吉は射精に相当する快感を味わいながらも射精はしないので
快感は継続している。

 しかし、権吉を天国に定住させるつもりなど、あかりには全くなかった。
次の瞬間、快感を優先させて、完全に伸びきって無防備となっている権吉の金玉を
あかりは指でグリグリと握り始めたのである。

「ぎゃあ!」
権吉は凄まじい悲鳴を挙げた。
天国から一気に地獄へと引き戻されたのだから当然である。
しかも、あかりは金玉の中でも特に痛感神経が集中している副睾丸ばかりを
狙って、グリグリしていた。
小さな男の子には到底、耐えられないような地獄の苦痛である。
もっとも、大きくなった大人の男であっても
あかりに副睾丸をグリグリされたら、5分も耐えられないであろうが。

 権吉はあかりの手をつかみ、離させようとしたが
ほとんど力が入らない。
それどころか、副睾丸から来る痛みで、息をしているにもつらい。
金玉を握られた時点で、男の子の唯一の長所である体力的優位性は
完全に封印されてしまうのである。

 少し首をかしげながら、あかりは
「さっきまで、あんなに元気だったのに、
これくらいの攻撃で、そんなに痛いの?」と
少しいじわるっぽく言った。

 今までの経験で男の子がすごく苦しむことはわかっているが、
自分には金玉が付いていないため、どれくらい痛いのか、
想像することもできず、自分には全く理解できない地獄の苦しみに
悶絶している滑稽な男の子をうれしそうに見つめるだけであった。

地頭の代官(第7話)

2010.10.30
 最近、都で増えている足軽は従来の武士の慣習に縛られず、
実践的な戦闘を繰り広げていたが、その足軽たちでさえ、
金的攻撃をすることはなかった。
足軽たちは男であるため、金玉の痛みを容易に想像でき、
武士の情けで、金玉だけは狙わなかったのである。
ここだけは、武士の慣習が生きていることになる。

 一方、あかりは平然と金的攻撃を続けていた。
権吉の金玉でも副睾丸の辺りを中心にグリグリと
すりつぶすかのように、あかりは揉んでいた。
その度に、権吉は声を裏返したような悲鳴を上げる。
まだ声変わり前の高い声で、それがさらに裏返るので、
女の子のような声だった。
しかし、女の子みたいな声を出せても
権吉は女の子ではないし、金玉もちゃんと付いている。

 しかも、あかりは副睾丸を集中的に攻撃してくる。
元々、金玉は精子をつくるのに体内では温度が高すぎて死滅してしまうため、
足と足の間にぶら下げている。
その中でも副睾丸は精子を育て上げ大切に保管する部位なので、
痛感神経が集中した、とても繊細な器官であった。
ここを攻撃されると、脳がうずくまるように指令を出す仕組みになっているので、
どんな強い男の子でも、副睾丸を蹴られたり、握られたりすると
戦意を失って、うずくまるしかない。
脳に、内臓の中でもさらにその奥部に衝撃を受けたという信号が
激痛と共に届くので、男の子は息をするのも苦しくなる。

「う、うう。くそお・・・。」
権吉は悔しそうにうめく。
もはや、甲高い声を出す力もなくなり、
小さな低い声しか出せなかった。

「どうしたの?男の子でしょう?
ちょっとは、反撃してみたら?」
あかりは、また、いじわるっぽく言った。
権吉の金玉は握ったままである。

 権吉はあかりが痛がりそうな急所がないか、見渡してみたが、
あかりの足と足の間はすっきりしていて、何も付いてない。
それどころか、権吉にこれだけの激痛を与えているのに
表情は余裕で、軽やかに、ほほえんでいる。
副睾丸から来る苦痛や脳から来るうずくまれとの指令とも
あいまって、権吉は全く勝てる気がしなくなり、
ただ、悶絶するしかなかった。

地頭の代官(第8話)

2010.11.01
 あかりの兄弟たちは他の家に武家奉公に出てしまったので、
村に来ている地頭の代官の子息はあかりだけである。
特に長男は守護大名家への武家奉公にとどまらず、
弓矢の腕を見込まれて、将軍直轄軍の奉公衆へ抜擢されたほどである。
若くして、すでに、地頭と対等か、それ以上の立派な侍になったことになる。

 このように長い月日の間が経ったので、男の子の急所を攻撃していた幼い日々のことは
すっかり、あかりの記憶の奥底に沈んでいた。
京にいる頃から顔なじみだった常夏でさえ、
あかりが急所攻撃にたけていたことを覚えていないのだから、仕方がない。

 一方、常夏は急所攻撃を覚えるのは遅かったものの、
京にいる時は実践的な武術の道場に通っていて、
急所攻撃の訓練を積んでいたので、男の急所を攻める腕は全く衰えなかった。
むしろ、以前よりも遙かに腕前を上げている。
この村に来てから男相手の練習ができなくなって不満だったくらいである。
農作業に忙しい農民を護身術の練習台に徴用するわけにもいかない。
かと言って、地頭の代官が連れてきた武士は村の防衛に必要不可欠な戦力であり、
金蹴りされて、うずくまれては、敵の急襲を受けた時、村の一大事である。
しかし、ある日、常夏たちにとって、朗報が飛び込んできた。
京にいる時からの顔なじみである国松弥平が短期だが、
この村に来ることになったのである。

 国松弥平は、常夏たちと同年代の男だ。
父は有力守護大名畠山家の被官で、それなりの中流武士ということになる。
弥平は四男ではあるが、武術に優れ、前回の仕官先は
伊勢の守護大名である名門北畠家であったくらいである。
今回も別にクビになったわけではなく、武士としての経験を積むための
人事交流である。
北畠家は守護職のみならず、国守の職も兼任している公家的な要素が
強い家柄であるゆえ、広い人脈を持っている。
数十年前、北畠家が室町幕府に対して謀反を起こした時でさえ、
赤松家など有力守護大名や朝廷が仲裁に入って、
謀反で戦死した当主の弟がそのまま領地を相続できたほどである。

 このように武術に優れ、後ろ盾もしっかりしている弥平であったが、
心の鍛錬は全く足りていなかった。
言い換えると、女癖が悪いのである。
まだ若いのでそんな大事には至っていないが、
同年代の女の子には平気でベタベタ触ってくる。
特に相手が知人だと遠慮なしに、胸などを触ってくる。

 常夏が最後に会ったのは、ずっと前のことで、与平も小さな男の子だったが、
その頃から女好きであった。
しかも、今は武術で鍛えた筋骨たくましい青年の武士となっている。
体格・体力は常夏たちどころか、そこら辺の武士を遙かにしのぐほどである。

 あの頃の常夏はまだ急所攻撃を体得する前で、散発的な反撃はするものの、
子供の頃から運動神経の良かった与平のやりたい放題だった。
しかし、今は違う。
与平がいくら筋骨たくましい若い男だとしても、
常夏の前では、金玉という、この上なく弱い急所を持った男に過ぎないのである。

地頭の代官(第9話)

2010.11.01
 形式上、国松与平の身分は守護大名北畠家所属という客分なので、特に仕事はなかった。
もっとも、この村には山賊の襲撃など非常時を除いて、武士の仕事はほとんどない。
日常業務としては年貢の管理と村の治安維持くらいのものである。
しかも、ここは伊勢ではなく、山奥の寒村であるから
与平の欲求を満足させるような娯楽は皆無に近い。
与平の性格上、顔なじみの常夏を相手にするしかない。

 与平が地頭の代官にさりげなく話をすると、
娘の武術の訓練相手をしてくれと頼まれた。
これで常夏と関係を持つ口実ができたことになる。
与平は浮かれた気持ちで、武術の練習を行っているという道場へ向かった。
この時、与平には行く手に待ち受ける地獄の苦しみを知る由もない。

 与平が道場に入ると、武術の訓練をしている常夏たちの姿が見えた。
ちょうど、あかりが常夏の足と足の間を蹴っているところであった。
それを見て、思わず、与平は自分の股間を手でかばった。
常夏に急所を蹴られたことはないが、仕官先の練習で、
同僚の男に金蹴りされたことはある。
ものすごく痛かった。
だが、『相手はただの女の子、男の俺が負けるわけがない』とすぐに与平は思い直した。

「しばらくの間、一緒に武術の練習をすることになった与平だ。
よろしくな」
与平は男らしく、快活にあいさつした。
本来ならば、あかりをもう少し丁重に扱っても良さそうなものであるが、
そんな配慮は一切ない。
それどころか、今回の赴任自体、非常に短期なので、物見遊山のような感じであった。

「よろしくお願いします」と
あかりとお鶴は丁寧にあいさつをしたが、
常夏だけは「身体だけは一人前になったけど、中身の方はどうかしら?」と
挑戦的だった。

地頭の代官(第10話)

2010.11.01
 最初は木刀の訓練だった。
火縄銃が伝来する前なので、刀の使い回しに慣れるための
木刀の訓練は非常に重要である。
まずは、あかりと与平が組み合った。
あかりは幼い時から兄たちと一緒に木刀の訓練を受けてきたので
きちんと様になっている。
木刀を打ち込む角度やタイミングも的確である。
しかし、やはり、あかりは女の子なので、身を動かす速度でも
木刀を相手に打ち込む腕力でも、与平に劣る。
少しの間はあかりも与平の攻撃を防ぎ切れていたが、
体力勝負になると、どうしても与平に力負けてしまう。
数回、防具を着けていない部分に与平の木刀が当たり、
あかりは鈍い痛みを覚えた。
初めての木刀試合は与平の圧勝で終わった。

 与平はそのまま、今度はあかりと武器なしの体術の訓練をしようとしたが、
常夏が「今度は私とやりましょう」と言った。
与平は「いいぜ」と即答した。

 常夏も与平も、体術練習用の動きやすい服装をしていた。
和服とは違って、身体の線がはっきり出る服装だった。
昨今の機動性重視の戦の傾向から見ると、この服装が適しているが、
与平にとっては、少し窮屈な感じがした。

 身体の線がはっきり出てしまうのは、常夏も同じである。
むしろ、女の子向けの服の方がぴっちりしており、
股間は超鋭角逆三角形を誇示している。
常夏の胸のふくらみとすっきりとした股間を見せつけられた与平は
思わず、そちらを凝視してしまう。
試合の前だというのに、与平は妙な感覚に襲われる。
必然的に与平のおちんちんは勃起し始めてしまった。

 『やばい』と与平は思ったが、勃起を止めることはできない。
女の子3人が見つめている中であったが、与平のおちんちんは大きく立ち上がり、
それは外からもよくわかる。

 「なんで、勝手に立たせているのよ?」と常夏はいじわるっぽく言った。
思わず、与平は恥ずかしそうに、勃起を目立たなくさせようと努めたが、
同年代の女の子3人に勃起を見られたという事実は変わらない。
一方、常夏は『ますます、金的攻撃をしやすくなったわ』と思った。
おちんちんがたれている状態だと、せっかく金蹴りをしても
おちんちんの方に当たってしまい、相手が痛がらない場合があるのである。
しかし、おちんちんが勃起して上を向いていれば、その心配はない。