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室町期農村の急所訓練(第5話)

2010.06.24
   室町期農村の急所訓練(第5話)

 村で1番大柄な佐吉、
村で1番相撲の強い平助、
村で1番木刀が強い彦三郎が倒され、
残っているのは権兵衛と与平だけである。

 権兵衛は村で1番の力持ちなので、まだ勝算があるが、
与平は特に力も強くない。
むしろ、村の若い男の中では1番弱いかも知れない。

 佐吉は金玉の痛みから多少は回復していたが、
平助と彦三郎はまだ話せないほどだった。
特にお雪に木刀で副睾丸を叩かれた彦三郎は
吐きそうな青い顔だった。
副睾丸の痛みが完全に彦三郎を支配していたのである。
普段、武家奉公のために鍛えている筋肉など
副睾丸から来る痛みには何の役にも立たなかった。

 お雪は権兵衛と対峙した。
外見上、どうみても権兵衛が勝っている。
村で1番力持ちと言われている権兵衛は
山で切った大木を楽々、里まで持ってくる。
米3俵くらいの重さはある木であるが、
権兵衛1人で運べてしまう。
権兵衛はその腕力を生かして、お雪を投げ飛ばして
一気に勝負を着けようと考えていた。

 権兵衛はお雪につかみかかったが
お雪は身軽に広いけいこ場を動き回った。
体格では権兵衛が圧倒的に優勢であるが、
小回りという点では、お雪が勝っていたのである。
権兵衛は平助のようにつっぱりもやってみようとしたが、
お雪は身軽に避けて、一向に捕まらない。

 身軽に避けているお雪は楽であったが、
必死で追いかける権兵衛は汗が出ていた。

権兵衛「いい加減に、取り合って勝負をしろよ!」
お雪「男だったら、女の子1人くらい捕まえてみなさい!」

 権兵衛は必死で追いかけ続けたが
一向に捕まらず、疲労困憊であった。
肩で息をするようになってしばらくすると、
一瞬、権兵衛の守りの体勢が崩れた。

 「いただき!」
お雪は権兵衛の後ろに回り、
ふんどしの上から金玉を握った。

 「ぎゃ~!」
権兵衛の悲鳴がけいこ場に響いた。
お雪は強弱をつけて数回、金玉を握った。

 「放せよ!」
権兵衛は叫んだが、お雪は無視して金玉を握り続けた。
お雪は権兵衛の金玉の柔らかさに感激した。

 実際は握り始めてから1分も経っていないが
権兵衛には何時間にも感じられた。

「どう?降参する?」
「だれが降参なんてするか!」
「そう?それじゃあ、このまま握りつぶしてあげる」

 お雪は一気に力を入れて、権兵衛の金玉を握った。
「ぎゃ~!」
権兵衛は再び悲鳴を上げるが、お雪は手加減なしで握った。

 お雪の手の中にある権兵衛の金玉が彼に地獄の苦しみを与えていた。
金玉は骨で守られていない上に、筋肉もつかないため、鍛えようがない。
小さな男の子の赤ちゃんも、大木を楽々運べるほど大きくなった権兵衛も
金玉の防御力は同じなのである。

 さらに、お雪は金玉を下に引っ張った。
権兵衛も金玉の移動に従うしかない。
前屈みで四つんばいになった権兵衛に、
お雪は追い打ちをかけるかのように
左右の金玉をこすり合わせた。

 「参った!参った!」
この攻撃には、さすがの権兵衛も耐えられず、降参した。
男の証である金玉が、女の子に、もてあそばれるだけの
急所になっていた。
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